プラスチックの素材には、加熱し軟化したものを加熱し続けて硬化させる熱硬化性樹脂と加熱し軟化したものを冷却して硬化させる熱可塑性樹脂があります。
また、プラスチック成形方法には射出成形、圧縮成形、トランスファー成形などがあります。
熱硬化性樹脂とは?
プラスチックは、加熱すると軟化して加工出来るようになるが、そのまま加熱を続けると化学反応を起こして硬化するプラスチックを熱硬化性樹脂と言います。
硬化したプラスチック(熱硬化性樹脂)は、再度加熱をしても、変形・溶解しない特性を持っていますのでコンセントやブレーカーなどの電気部品によく使われています。
【熱硬化性樹脂の特徴】
・耐熱性に優れている
・耐薬品性に優れている
・溶けない(滴下しない)
・硬い(機械的強度が高い)
熱硬化性樹脂の素材
電気絶縁性、耐熱性、耐燃性、耐薬品性、機械的強度、耐久性、耐水性、耐寒性などの特徴を持つ熱硬化性樹脂の成形材料には以下のものがあります。
- フェノール樹脂 (PF)
- エポキシ樹脂(EP)
- メラミン樹脂(MF)
- 尿素樹脂(ユリア樹脂) (UF)
- 不飽和ポリエステル樹脂 (UP)
- ジアリルフタレート樹脂 (PDAP)
- ポリウレタン樹脂 (PUR)
- シリコン樹脂 (SI)
熱硬化性樹脂の成形方法
熱硬化性樹脂の成形では、材料を金型に投入した後、加温します。そうする と材料は溶けて液状になりますが、加熱し続けると化学反応を起こして硬化します。硬化したものは液状に戻ることがないため、冷却をせずに成形品を金型から 取り出すことができます。しかし、成形したものには余分に漏れ出した材料がバリになって付着するため、バリの処理が必要です。
【主な熱硬化性樹脂の成形方法】
・射出(インジェクション)成形
・圧縮(コンプレッション)成形
・トランスファー成形
熱可塑性樹脂とは?
熱可塑性樹脂とは、加熱することで軟化し成形できるようになり,冷却すると固化する特性がある樹脂で、熱硬化 性樹脂に対する。熱だけでなく溶媒にも溶解性があります。耐熱性や耐薬品性は熱硬化性樹脂におとりますが,実用性が高く,冷却だけで固化するため成形速度 が速くコストが安い。
【熱可塑性樹脂の特徴】
・成形速度が速い
・生産コストが安価
・不良成形品の再利用化
熱可塑性樹脂の成形材料
- アクリル(PMMA)
- ポリアセタール(POM)
- ポリアミド(PA)
- ポリエチレン(PE)
- ポリエチレンテレフタレート(PET)
- ポリカーボネート(PC)
- ポリスチレン(PS)
- ポリフェニレンサルファイド(PPS)
- ポリブチレンテレフタレート(PBT)
- ポリプロピレン(PP)
- ポリ塩化ビニル(PVC)
- ABS樹脂
- AS樹脂